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イエローストーンにおける外来魚管理

  • 執筆者の写真: Yoshinori Taniguchi
    Yoshinori Taniguchi
  • 2018年8月17日
  • 読了時間: 2分

2018年6月,ワイオミング州に学生として住んでいた時代に初めて訪れて以来,通算4度目のイエローストーン国立公園を訪問した.イエローストーンレイクの畔で国立公園局のパークレンジャーに話を聞いた.ベテランの女性レンジャーだった.

 私「最近,イエローストーンカットスロートトラウトはどうですか?回復しつつありますか?レイクトラウトはどうですか?減っていますか?増えていますか?」

 私の質問に対して,レンジャーは歴史的なところから話し始めた.

 レンジャー(レ)「そもそも1970年代までカットスロートの乱獲がひどかった.釣り人は肩に担いで収穫していたし,カリフォルニアの水産会社がカットスロートを漁獲して出荷していた.結果として,資源量は大きく減少した.」

 ちなみに,イエローストーン国立公園は世界最古の国立公園で1872年にできた.このように歴史のある国立公園で乱獲が止まらなかったということに驚く.

 レンジャーは続けた.「そうこうするうちに,1990年頃にレイクトラウトが見つかった」

 1994年に初めて記録されたが,当然それ以前に入っていたことに疑いは無い.

 私「パーク内にはもともといなかった・・・」

 レ「いえ,もともとパーク内に生息していました.1890年にショショニ湖に放流されていましたから」

 私「すぐ近くの湖ですよね.放流は,誰によって?」

 レ「アメリカ政府です.U.S. Fish Commission.現在のUS Fish & Wildlife Serviceですね」

 私「それは今もいる?」

 レ「そうです.ショショニ湖ではレイクトラウト釣りも許可されています」

 レイクトラウトは遠くから運ばれてきたものではなかった.レイクの分布は広く,モンタナ以北だ.ショショニ湖の個体群も近隣のモンタナから運ばれてきたのだろう.近隣に外来魚が生息すれば,こういう「間違い」は必ず起こる.

 
 
 

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